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2026/08/18

タツキの物語(俊の記憶) 第6回

6章 タツキの誕生日(富士山ケーキ〜大暴走〜寝落ち)

その日は朝から施設が少しだけそわそわしていた。

タツキはまだ知らない。

でも、みんなは知っている。

 

今日はタツキの12歳の誕生日。

精神年齢は5歳のままだけど、身体は確実に成長していて、

共同体の中心としての存在感はますます大きくなっている。

 

俊(18)は、発明チームのリーダーとして、朝から作業場に立っていた。

今日はタツキの誕生日。

仕事よりも、タツキを喜ばせる仕掛けづくりが優先だ。

 

ハルト(16)がそっとスイッチの位置を確かめながら言う。

「俊くん、このスイッチ押すと風船が一気に膨らむよ。」

「よし。タツキが絶対喜ぶやつだな。」

俊は図面を確認しながらうなずく。

カヨ(14)が図面を差し出す。「飾り付けの配置、これでいい?」

「完璧。さすがカヨ。」 俊は笑って答えた。

今日は完全に“タツキ優先”の日だ。

ハルトは音と触覚で飾り付けの位置を確認しながら、

「タツキくん、どんな反応するかな……楽しみだね」と小さくつぶやく。

カヨは安全性のチェックを続ける。

「タツキくんが走っても壊れないようにしてあるよ。」

その一方で、サキ(17)とエミ(14)は厨房でケーキを仕上げていた。

サキはクリームを整えながら言う。

「甘さ控えめで、でも子どもが好きな味にするね。」

エミは横で材料を並べながら笑う。

「タツキくん、絶対喜ぶよ!」

壮太(10)は、タツキを外へ連れ出して準備を見せないようにしていた。

「タツキ、今日は散歩しよう。戻ってきたら楽しいことあるよ。」

「壮太ーーー!! タツキ、あそぶーーー!!」

タツキはいつものように全力で返事をする。

そして、全体の段取りを管理するのはヤンチャ君(24)だ。

「よし、みんな。タツキが戻るまであと30分だ。最終チェックいくぞ。」

作業場には、誕生日を迎えるタツキのために、それぞれの役割を持った仲間たちが静かに、でも確かな熱をもって動いていた。

 

壮太に連れられて戻ってきたタツキは、玄関で立ち止まる。

「……なにこれーーー!!」

風船が一斉に膨らむ仕掛けが作動する。紙吹雪がふわっと舞う。

俊 「タツキ、誕生日おめでとう。」

タツキ 「しゅんーーー!! タツキ、たんじょうびーーー!!」

壮太 「12歳だよ。おめでとう、タツキ。」

タツキは壮太に抱きつき、そのまま俊にも飛びつく。

ヤンチャ君 「ほらほら、転ぶなよ。今日は主役なんだからな。」

 

部屋の照明が少し落ちて、みんなが静かに息をひそめる。

俊(18)はタツキの肩に手を置き、「タツキ、ちょっと待ってろよ」と小声で言う。

壮太(10)はタツキの手を握って、「戻ってきたら楽しいことあるよ」と笑っている。

タツキ(12・精神5)はそわそわしている。「壮太ーーー!!タツキ、なにするのーーー!!」

そのとき—— 廊下の向こうから、ふわっと甘い香りが漂ってくる。

 

エミ(14)が両手で大きなトレイを支え、サキ(17)が慎重に横を歩く。

その上には—— 青い斜面に白い雪がかかった、見事な“富士山ケーキ”。

エミ 「タツキくん、見て!今日は特別だよ!」

サキ 「ゆっくり歩くからね、崩れないように……」

二人は息を合わせて、まるで宝物を運ぶみたいにケーキをテーブルへ。

ハルト(16)は音で位置を確認しながら、「すごい……本物みたいだね」と微笑む。

カヨ(14)は図面を片手に、「飾り付け、全部計算通りだよ!」と誇らしげ。

ヤンチャ君(24)は腕を組んで、 「よし、完璧だ。タツキ、こっちだぞ」と声をかける。

 

エミとサキが富士山ケーキを運んできた瞬間—— タツキは固まる。

「……ふ、ふじさん…… ケーキーーー!!」

壮太 「タツキ、ロウソク消してからね!」

俊 「ほら、ここに立てるぞ。」

俊が山頂にロウソクを立てると、タツキはもうがまんの限界。

「タツキ、ふーするーーー!!」

勢いよく吹きかけてロウソクが全部消えた瞬間——

タツキ 「タツキ、ふじさんーーー!!」

壮太 「タツキ、待って!!まだ切ってない!!」

俊 「やめろって言ってるだろ!!」

タツキは富士山の“青い斜面”に手を突っ込む。

ぐしゃっ。

エミ 「わーーー!!」

サキ 「タツキくん!!そこは雪じゃないよ!!」

タツキは手についたクリームを見て叫ぶ。

「しゅんーーー!! タツキ、あおいーーー!!」

俊 「いや、それクリームだから!!」

 

タツキ 「タツキ、やるーーー!!」

ぽすっ(俊の顔に青いクリーム)

俊 「おい!!」

ハルト 「俊くん、顔……青いよ……」

カヨ 「富士山の色になってる……」

タツキはさらに手を突っ込んで、白い“雪クリーム”をつかむ。

ぽすっ(壮太の頭に雪)

壮太 「ひゃっ……冷たい!!」

タツキ 「壮太ーーー!!ゆきーーー!!」

 

エミ 「ちょっと!タツキくん!!」

ぽすっ(エミの頬に青クリーム)

エミ 「わーーー!!」

サキ 「エミ、顔!!」

ぽすっ(サキの髪に白クリーム)

サキ 「えっ……ちょっと……」

ハルトは音で状況を察しながら苦笑する。

「みんな……クリームの音がすごい……」

カヨ 「タツキくん、もうやめてーーー!!」

ぽすっ(カヨの手に青クリーム)

カヨ 「うわーーー!!」

 

タツキ 「やんちゃーーー!! タツキ、ふじさんーーー!!」

ヤンチャ君 「はいはい、タツキストップ〜」

タツキは勢いのままヤンチャ君に飛び込む。

べちゃっ(青+白クリームがヤンチャ君の服に)

ヤンチャ君 「……俺まで富士山になったじゃないか。」

俊 「ほらな。 こういうところが憎めないんだよ。」

壮太 「みんなクリームまみれだよ……」

タツキ 「たのしいーーー!! タツキ、ふじさんーーー!!」

 

床は青と白のクリーム。みんなの顔は富士山の色。タツキは満面の笑み。

タツキが富士山ケーキに手を突っ込み、青い斜面をぐしゃぐしゃにして、みんなにクリームを投げまくった結果——

部屋は完全に“富士山の雪崩”状態。

俊は顔が青い。

壮太は頭に白い雪。

エミは頬に青い線。

サキは髪に白いクリーム。

ハルトは音で状況を察して苦笑。

カヨは手が青い。

ヤンチャ君は服が富士山。

タツキは満面の笑み。

「たのしいーーー!! タツキ、ふじさんーーー!!」

俊 「おい……俺の顔、富士山なんだけど……」

壮太 「みんなクリームまみれだよ……」

エミ 「でもかわいい……」

サキ 「いや、かわいいけど……これは……」

そのとき、ヤンチャ君がタツキの肩をそっと掴む。

 

ヤンチャ君 「タツキ。 楽しいのはわかるけどな…… 食べ物で遊んじゃいけないぞ。 みんなで作ったケーキなんだから、大事にしないと。」

タツキはクリームまみれの手を見て、きょとんとする。

「やんちゃ…… タツキ、ふじさん……たのしい……」

ヤンチャ君は笑って、でも優しく続ける。

「楽しいのはいいんだよ。でも、食べ物は“遊ぶもの”じゃなくて“食べるもの”だ。わかる?」

タツキ 「……たべる……?」

壮太 「そうだよ。みんなで作ったんだから、ちゃんと食べようね。」

俊 「ほら、タツキ。ケーキは食べるほうが美味しいぞ。」

タツキは少し考えて、クリームまみれの手をぺろっと舐める。

「……おいしいーーー!! タツキ、たべるーーー!!」

ヤンチャ君 「よし。 じゃあ、食べような。」

 

サキ 「じゃあ、切るよ〜……って、手がクリームまみれなんだけど。」

エミ 「もういいよ!今日はそういう日!」

俊 「サキ、慎重に。タツキがまた突撃するぞ。」

タツキ 「やだーーー!!タツキ、ふじさんーーー!!」

壮太 「タツキ、座って。食べるよ。」

サキがケーキを切ると、青い斜面と白い雪が断面になって、本当に富士山の地層みたいに見える。

ハルト 「すごい……音でわかる。柔らかいね。」

カヨ 「断面、図面通りだよ!」

 

みんなクリームまみれの手で、そのままケーキをつまんで食べる。

俊 「……うまっ。顔にクリームついてても味は最高だな。」

壮太 「タツキ、ゆっくり食べようね。」

タツキ 「おいしいーーー!! タツキ、もっとーーー!!」

エミ 「タツキくん、顔にもケーキついてるよ!」

サキ 「もう誰がケーキで誰がクリームかわからないね。」

ハルト 「みんなの声が楽しそうで……いいね。」

カヨ 「こんな誕生日、他にないよ。」

ヤンチャ君 「これがこの施設のいいところだ。好きなことをして、好きな人と食べて、 好きなように生きる。」

俊 「タツキがいると、こうなるんだよな。でも……悪くないな」

タツキ 「しゅんーーー!! タツキ、たんじょうびーーー!!」

俊 「はいはい……おめでとうな。」

 

富士山ケーキの大暴走で、部屋は青と白のクリームだらけ。

俊は顔が青い。

壮太は頭に白い雪。

エミは頬に青い線。

サキは髪に白いクリーム。

ハルトは手に少しついている。

カヨは指先が青い。

ヤンチャ君は服が富士山。

タツキは全身が青と白。

みんな笑っている。

 

タツキ 「たのしいーーー!! タツキ、ふじさんーーー!!」

壮太 「みんなで写真撮ろうよ!」

ヤンチャ君 「よし、記念写真だ。今日はもう、クリームまみれのままでいい。」

 

みんながケーキの周りに集まる。

タツキは真ん中。

俊はタツキの肩を抱く。

壮太はタツキの手を握る。

エミとサキは左右で笑っている。

ハルトは音で位置を確認して微笑む。

カヨは図面を持ったまま。

ヤンチャ君は後ろで腕を組んでいる。

全員、顔がクリームまみれ。

壮太 「はい、いくよー! タツキ、笑って!」

タツキ 「しゅんーーー!! タツキ、たんじょうびーーー!!」

パシャッ。

最高の写真が撮れた。

俊 「……これ、絶対飾ろうな。」

エミ 「今日のタツキくん、ほんと可愛い。」

サキ 「みんなの顔が面白すぎる。」

ヤンチャ君 「よし、次は—— お風呂だ。全員集合。

 

タツキ 「おふろーーー!! タツキ、いくーーー!!」

壮太 「走らないよ!!」

俊 「タツキ、滑るから気をつけろって!」

エミ 「クリームで床がぬるぬるしてるよ!」

サキ 「みんな、タオル持ってね!」

ハルト 「音がすごい……みんな楽しそう。」

カヨ 「お風呂でクリーム落とそうね!」

ヤンチャ君 「ほら、列になれ。タツキは俺が見てるから安心しろ。」

タツキは俊の腕にしがみつきながら跳ねる。

「しゅんーーー!! タツキ、おふろーーー!!」

俊 「はいはい……行くぞ。」

 

湯気がふわっと上がる。

クリームが溶けて流れていく。

みんなの顔が元に戻る。

タツキは湯船でぷかぷか浮かびながら笑う。

「たのしいーーー!! タツキ、ふじさんーーー!!」

俊 「今日はほんとに暴れたな……」

壮太 「でも、楽しかったね。」

ヤンチャ君 「こういう日が一番いいんだよ。」

ハルト 「みんなでね。」

タツキ 「みんなーーー!! だいすきーーー!!」

 

みんなクリームを流して、やっと落ち着こうとしている。

俊 「はぁ……やっと顔の青が落ちた……」

壮太 「タツキ、ゆっくり入ろうね。」

ハルト 「音が反響してる……広いね。」

ヤンチャ君 「よし、みんな。ゆっくり——」

その瞬間。

タツキ 「タツキ、水てっぽうーーー!!」

俊 「おい、どこから出したそれ!!」

タツキはどこかから水鉄砲を持ってきていた。

 

タツキ 「しゅんーーー!! タツキ、やるーーー!!」

びゅっ!!

俊の顔に直撃。

俊 「おい!!また顔かよ!!」

びゅっ!!

壮太の胸に直撃。

壮太 「ひゃっ……冷たい!!」

びゅっ!!

ハルトの手に直撃。

ハルト 「わっ……音でわかる……水鉄砲だ……」

びゅっ!!

ヤンチャ君の胸に直撃。

ヤンチャ君 「……また俺か。」

タツキ 「たのしいーーー!! タツキ、水てっぽうーーー!!」

 

タツキは突然、シャンプーを手にぷにゅっと出す。

俊 「おい……それはやめろ……」

タツキ 「タツキ、やるーーー!!」

ぽすっ(俊の頭にシャンプー)

俊 「またかよ!!」

ぽすっ(壮太の頭に)

壮太 「タツキ、もう泡だらけだよ!!」

ぽすっ(ヤンチャ君の頭に)

ヤンチャ君 「……俺はもう何色でもいいよ。」

タツキ 「しゅんーーー!! タツキ、あわーーー!! タツキ、ふじさんーーー!!」

俊 「お風呂で富士山作るな!!」

 

みんな疲れてる。

みんな濡れてる。

みんな泡まみれ。

でも、誰も怒らない。

壮太 「タツキ、楽しいね。」

ハルト 「みんなの声が明るい……いいね。」

ヤンチャ君 「……まあ、誕生日だからな。」

俊はタツキの頭を軽く撫でる。

俊 「ほんと、憎めないよな…… タツキは。」

タツキ 「しゅんーーー!! タツキ、たんじょうびーーー!!」

 

湯船の中で泡を頭に乗せて、 水鉄砲を撃ちまくっていたタツキ。

俊 「おい、もう俺の顔泡だらけだぞ……」

壮太 「タツキ、もう少し静かにしようね……」

ヤンチャ君 「まあ誕生日だからな……」

そんな中、タツキは突然動きを止める。

ぽちゃん。

水鉄砲を湯船に落とす。

タツキ 「……あきた…… タツキ、ねむい……」

俊 「急にどうしたんだよ……」

壮太 「タツキ、眠くなったの?」

タツキは俊の胸にそのまま倒れ込む。

「しゅん…… タツキ、ねむい……」

俊 「はいはい……暴れすぎたんだよ。」

ヤンチャ君 「誕生日のタツキは、いつも最後に電池切れるんだよな。」

ハルト 「声が急に静かになった……かわいいね。」

 

タツキは俊の胸に顔をうずめて、湯気の中で目を半分閉じている。

「しゅん…… タツキ、ねむい……」

俊 「はいはい……もう出るぞ。」

壮太 「タツキ、立てる?手貸すね。」

タツキは壮太の手を握るけど、足がふらふらしている。

ヤンチャ君 「よし、俊。抱っこしてやれ。今日はもう限界だ。」

俊 「だな。」

俊はタツキをそっと抱き上げる。

タツキは濡れた髪のまま、俊の肩に顔をうずめている。

「しゅん…… タツキ、ねむい……」

俊 「わかったよ。部屋まで運ぶからな。」

 

みんなでお風呂を出て、廊下をゆっくり歩く。

壮太はタオルを持って俊の横を歩く。

「タツキ、もうすぐお部屋だよ。」

ハルト 「足音が静か……眠いんだね。」

ヤンチャ君 「暴走して、笑って、泡まみれになって、最後に電池切れる。これがタツキの誕生日だ。」

俊 「ほんと、憎めないよな……」

タツキ 「……しゅん……ねむい……」

 

俊はタツキを布団にそっと寝かせる。

タツキはまだ俊の服を握っている。

壮太 「タツキ、手離してね。布団かけるよ。」

タツキ 「……やだ……しゅん……」

俊は笑って、タツキの手を優しくほどく。

「ほら。寝るんだよ。今日はいっぱい遊んだからな。」

 

女子も合流している。

壮太がタオルで髪を軽く拭く。

サキが布団を整える。

エミが部屋の灯りを少し落とす。

ハルトが静かにドアの位置を確認する。

ヤンチャ君が全体を見守る。

共同体全員で、タツキの“寝る準備”を整える。

 

タツキ 「……しゅん…… タツキ……ねむい……」

俊 「はいはい……おやすみ。」

タツキはそのまま、 すー……っと寝息を立て始める。

壮太 「寝たね……」

エミ 「かわいすぎる……」

サキ 「今日、ほんとに楽しかったね。」

ハルト 「声が静かになった……」

カヨ 「誕生日っていいね。」

ヤンチャ君 「よし、みんな。タツキは寝た。今日はこれで終わりだ。」

俊はタツキの寝顔を見ながら、小さく笑う。

「……ほんと、憎めないよな。」

 

お風呂から出たあと、みんなはタツキの部屋をそっと閉めて、静かに食堂へ戻る。

そこはまだ、青と白のクリームが床に点々と残っていて、富士山ケーキの名残があちこちに散らばっている。

俊 「……はぁ。すごいことになってるな。」

壮太 「タツキ、ほんとに全力だったね。」

エミ 「でも、あの顔……めちゃくちゃ可愛かった。」

サキ 「うん。あの“ねむい……”って言った瞬間、全部許せるよね。」

ハルト 「声が急に静かになったのが印象的だった……」

ヤンチャ君 「暴走して、笑って、泡まみれになって、最後に電池切れる。あれがタツキの“誕生日の形”なんだよ。」

みんなはモップやタオルを持って、床のクリームを拭きながら話す。

 

エミ 「富士山ケーキ、ほんとに綺麗だったよね…… 最初は。」

サキ 「うん。タツキくんが手を突っ込むまではね。」

俊 「俺の顔に青クリーム投げたの、絶対わざとだろ。」

壮太 「俊くん、顔が本当に富士山だったよ。」

ハルト 「音でわかった……みんなが笑ってた。」

カヨ 「図面通りに作ったのに、タツキくんが全部“自由設計”にしたね。」

ヤンチャ君 「まあ、あれも含めて“成功”だよ。タツキが楽しんだなら、それでいい。」

俊 「ほんと、憎めないよな……あいつ。」

 

床の青と白が少しずつ消えていく。

テーブルの上も綺麗になっていく。

クリームの甘い匂いが薄れていく。

エミ 「なんか……片づけながら思うけど、こういうのって幸せだね。」

サキ 「うん。みんなで散らかして、みんなで片づけるのって、家族みたい。」

壮太 「タツキ、明日の朝起きたら覚えてるかな。」

俊 「覚えてなくてもいいよ。また来年やればいい。」

ハルト 「来年も……みんなでね。」

カヨ 「もちろん。」

ヤンチャ君 「よし、だいぶ綺麗になったな。今日はもう休もう。タツキはぐっすり寝てるし。」

俊は最後にモップを置いて、ふっと笑う。

「……ほんと、いい誕生日だったな。」